当社は、桐タンスの再生(洗い)も行っていますが、先日、当社で再生したと言うお客様より、「カギを掛けて、開ける鍵をなくしたので来てて欲しい」と電話がありました。休日でもありましたが、お困りであるろうと、すぐに伺うことに。再生は10年程前に頼んだということでしたが、お名前、住所をお聞きして調べてみても記録にありません。

家具店さまからか、どこかの仲介されたのかもと思いましたが、私の記憶でも心当たりがありません。何種類かのカギを準備して、お伺いすると、やはり、来た事の無いお宅。箪笥を見たら、当社の再生でもありませんでした。そこですぐ帰ってもよかったのですが、その方はお困りのようでした。

カギは、極一般的なカギですぐ開きました。お客様とは言えませんが、その方に、カギも差し上げました。勘違いでうちに電話されたようです。

一段落して、その方が箪笥の事をお話をされました。「この箪笥は、先代が大切にしていた物で、あちこちに引越しをしても、この箪笥だけは、ずっと一緒でした。10年程前、だいぶ痛んでいたので、再生を頼んで立派にしてもらいました。」と大変嬉しそうに 自慢話をお話されました。

でも「これは、外が桐で、中は秋田杉なので、大変気に入っています。」と言わた時には、私は、この時「エッ!」と思いました。その方は、「秋田杉」と言われましたが、どう見ても普通の杉だったのです。そこで「秋田杉とは、先代様から聞いたのですか??」と尋ねると「いや、再生した人がそう言いました」ということで、お客様は再生を頼まれる時に、頼んだ業者の説明を信じていらっしゃいました。

再生をした業者も教えてもらいましたが、こんないい加減な説明をしていたとは驚きました。お客様にここで本当のことをいうのも心情を害することにもなるかと思い、言いたい事をグッと抑えて帰りましたが、帰る途中で怒りがこみ上げてきました。再生をした業者は、お客様に説明の段階で、材料や作りをウソを並べ、また過剰に箪笥の評価をして再生を進めていた様です。

また、再生の内容も、当社の考える再生とは程遠い物で、傷だらけの板を覆うように、別の板を貼り付けたもので、とても、再生とは言いがたい物でした。

当社で再生を承る場合は、お客様にその箪笥をできるだけ正確にご説明し、できるだけ元の材料を生かした、再生を行っています。再生とは、お客様の先代への思いや、思い出を残し、心を癒す仕事だと思います。そんな事を考えると、お客様をだましてまで仕事を取る業者は許しがたい物があります。