HASHBEDの特許証がやっと来ましたので、特許までの道のりを振り返ってみます。(長文です)
数ヶ月は全くの堂々巡り。海外のベッドも参考にしましたが、接着固定すれば、そりゃ〜ガッチリと、いうものは多々ありましたが、分解できないことにはねぇ〜でした。私もいくつものアイデアを出しました。時には3Dプリンターでパーツを作ってみたり。
試作したら、次の試作ができるまでは、そのまま工場入り口付近に放置。というのは、やはり、ものづくりの性か、現物を眺めてないと次のアイデアが浮かばない。ある時はフレームの長さが現状より長いものが必要という案だったり。実際作る前に、3DCADでも、かなりな案を出しました。これをよかろうと実際に作ってみると、意外と作りにくかったり、作れなかったり。
当社は、役員全員だけが読み書きできる、ネット上の電子掲示板を日頃から使っています。ですので、自宅に帰っても、アイデアがあれば、すぐ書き込める体制となってます。
そんな中、2番目の息子が、私のアイデアと真逆のものを、真夜中に書き込んでました。一見した時はこれはダメバイ。翌日でも、とりあえず聞いてみるか〜、でした。でも、あたまの中で整理したら、これは素晴らしいと思いました。そしてこれなら、特許にできるかもと、直感的に思いました。
試作をさせたところ、見事にガッチリとでき、役員全員が納得。いい出した当初は特許は無理でも、実用新案か意匠登録でもと思ってましたが、これで特許の可能性がでてきました。それで、申請するまでは、ネット上に書かないことを申し合わせました。書くと、新規性がなくなるのです。
さて申請です。組子ベッドの場合、弁理士さんを使いましたが、特許になるまで、70万円程かかりました。それで、今回は経費削減ということと、息子の勉強ということもあって(前者が強いのですが)、私が実用新案を申請する際、何度もお世話になっている、福岡県知的所有権センターで指導を受けることに。県の機関で何度でも無料なんです。他県にもあると思います。意匠登録や実用新案を薦められましたが、今回は特許でと指導をお願いしました。
特許とともに進めたのが商標です。こちらは、簡単に書けますから、特許庁のサイトで調べて他にないものを提出するだけです。当初は直線の形状が道のようでしたから、私が"ストリート"と命名し、それで登録申請しました。ところが、私の検索が甘かったらしく、韓国のIT企業が同じようなもので”ストリート777”を取っていたのです。何度かそれとは違うと意見書を提出しましたが、意見はどうも通りそうもないということで、改めて、今度は考案した息子の案で"HASHBED(ハッシュベッド)"で申請。検索方法も新たに、ぬかりなくということで無事承認され、サイトやカタログ等すべて変更しました。
さて、特許申請の話に戻りますが、申請前にやるのが、事前調査です。特許庁のサイトでGoogleの様にキーワードでなく分類で調べます。ところが、事例がみつからず、ますます特許の可能性が高くなってきます。でも、特許申請する場合は類似の分類を示しておく必要がありますが、こんなところかな〜で落ち着きました。
実用新案も特許も、書き方はほぼ同じですが、実用新案は書類に不備がなかったら、それで承認されます。これは一般の方がご存じないことです。他から何か言われた場合の抑止力程度にしかならないのです。でも、特許は審査があり、ハードルはぐっと高くなりますが、その分、権利として主張できることになり、製品の差し止め、損害賠償請求等、発明者保護は優位になります。
とりあえず書いて、指導員に意見を伺ってまた修正を何度か繰り返します。指導員も人の子で、何度も通っていると、ここは肝心と教えてくれます。それくらいの熱心さは必要です。指導は受けるもののそれは無料なので、特許印紙代の2万円ほどで出願できました。あとは待つだけですが、私は、一日でも早く特許となることが希望ですので、早期審査を申請しました。零細企業は書類を揃えて提出すれば減免です。
一発で通ることは希とは分かってましたが、やってきました意見書が。カクカクしかじかとどう違うか説明せよ、的なぁ〜です。国内の特許は調べ尽くして類似のものはないと思ってましたら、なんとドイツに似たような製品があるが、それとの違いを述べよ、でした。指導員の方に聞いてみました。国際特許ならまだしも、海外の特許とくらべるということは、どうしてでしょうか?と。あまり前例はないようですが、ネット時代、海外の特許を模倣して申請するということも考えられるから、そうなっているかもと。
これには、困ったですね〜。同類と思われた特許はドイツ語なんです。息子は全文をGoogle翻訳にかけ、なんとか意味は分かったものの、どう反論していいかと思案。私はこれは難しいかもと、息子に丸投げしました。息子は大川の福岡県インテリア研究所に相談に行ったりして、意見書を書き上げました。それは見事に相違を示すものでした。
その後数ヶ月経ち、次の意見書が。またドイツの製品との違いを示せだったら、アウトだな、と文書を読んでみたら、それとは違うところを示してあり、文言の訂正くらいの簡単なもの。ドイツの件ではなかったので、この段階で特許になる確率99%と思いました。
その数ヶ月後”特許査定”という文書が届きましたが、これが何を意味するか分からず、指導員の方に尋ねたら「おめでとうございます。学校で言えば合格通知です」と返信があり小躍りしました。
もちろん、すぐ息子に知らせました。初めての知財が特許申請で、苦労した意見書もすべてが実ったことであり、朝礼では、金一封を渡して今回の労をねぎらうとともに、次の特許も、この時点から期待していると伝えました。
特許料ですが、昔より随分安くなってました。ここでも、零細企業の特権である、減免の書類を提示したので2/3の減免。10年分で5万円ほどで済みました。
特許は発明です。実用新案は考案者となりますが、特許は発明者として特許証に記載されます。家具業界でも特許は希です。HASHBED(ハッシュベッド)は次世代のベッド。情報拡散は"#BED"でよろしくお願いします。HASHBEDの詳しいことは→ここから
従来の組子ベッドの特許が10年目を迎えた、2016年の新春冒頭で、次世代の組子ベッドを考案し、特許を取ろうと役員全員に提案しました。ただ、従来のベッドの観念がどうしても邪魔して最初の頃は、あんばい風とか、ここちe風とか、夢楽風に。特許になる三大要件は、産業上の利用可能性、新規性、進歩性です。分解・組立てが簡単にできる。工具は不要、組み立て簡単でもグラグラしない。量産できること。いまのベッドより低価格に。と、コンセプトというより高い要望。
数ヶ月は全くの堂々巡り。海外のベッドも参考にしましたが、接着固定すれば、そりゃ〜ガッチリと、いうものは多々ありましたが、分解できないことにはねぇ〜でした。私もいくつものアイデアを出しました。時には3Dプリンターでパーツを作ってみたり。
試作したら、次の試作ができるまでは、そのまま工場入り口付近に放置。というのは、やはり、ものづくりの性か、現物を眺めてないと次のアイデアが浮かばない。ある時はフレームの長さが現状より長いものが必要という案だったり。実際作る前に、3DCADでも、かなりな案を出しました。これをよかろうと実際に作ってみると、意外と作りにくかったり、作れなかったり。
当社は、役員全員だけが読み書きできる、ネット上の電子掲示板を日頃から使っています。ですので、自宅に帰っても、アイデアがあれば、すぐ書き込める体制となってます。
そんな中、2番目の息子が、私のアイデアと真逆のものを、真夜中に書き込んでました。一見した時はこれはダメバイ。翌日でも、とりあえず聞いてみるか〜、でした。でも、あたまの中で整理したら、これは素晴らしいと思いました。そしてこれなら、特許にできるかもと、直感的に思いました。
試作をさせたところ、見事にガッチリとでき、役員全員が納得。いい出した当初は特許は無理でも、実用新案か意匠登録でもと思ってましたが、これで特許の可能性がでてきました。それで、申請するまでは、ネット上に書かないことを申し合わせました。書くと、新規性がなくなるのです。
さて申請です。組子ベッドの場合、弁理士さんを使いましたが、特許になるまで、70万円程かかりました。それで、今回は経費削減ということと、息子の勉強ということもあって(前者が強いのですが)、私が実用新案を申請する際、何度もお世話になっている、福岡県知的所有権センターで指導を受けることに。県の機関で何度でも無料なんです。他県にもあると思います。意匠登録や実用新案を薦められましたが、今回は特許でと指導をお願いしました。
特許とともに進めたのが商標です。こちらは、簡単に書けますから、特許庁のサイトで調べて他にないものを提出するだけです。当初は直線の形状が道のようでしたから、私が"ストリート"と命名し、それで登録申請しました。ところが、私の検索が甘かったらしく、韓国のIT企業が同じようなもので”ストリート777”を取っていたのです。何度かそれとは違うと意見書を提出しましたが、意見はどうも通りそうもないということで、改めて、今度は考案した息子の案で"HASHBED(ハッシュベッド)"で申請。検索方法も新たに、ぬかりなくということで無事承認され、サイトやカタログ等すべて変更しました。
さて、特許申請の話に戻りますが、申請前にやるのが、事前調査です。特許庁のサイトでGoogleの様にキーワードでなく分類で調べます。ところが、事例がみつからず、ますます特許の可能性が高くなってきます。でも、特許申請する場合は類似の分類を示しておく必要がありますが、こんなところかな〜で落ち着きました。
実用新案も特許も、書き方はほぼ同じですが、実用新案は書類に不備がなかったら、それで承認されます。これは一般の方がご存じないことです。他から何か言われた場合の抑止力程度にしかならないのです。でも、特許は審査があり、ハードルはぐっと高くなりますが、その分、権利として主張できることになり、製品の差し止め、損害賠償請求等、発明者保護は優位になります。
とりあえず書いて、指導員に意見を伺ってまた修正を何度か繰り返します。指導員も人の子で、何度も通っていると、ここは肝心と教えてくれます。それくらいの熱心さは必要です。指導は受けるもののそれは無料なので、特許印紙代の2万円ほどで出願できました。あとは待つだけですが、私は、一日でも早く特許となることが希望ですので、早期審査を申請しました。零細企業は書類を揃えて提出すれば減免です。
一発で通ることは希とは分かってましたが、やってきました意見書が。カクカクしかじかとどう違うか説明せよ、的なぁ〜です。国内の特許は調べ尽くして類似のものはないと思ってましたら、なんとドイツに似たような製品があるが、それとの違いを述べよ、でした。指導員の方に聞いてみました。国際特許ならまだしも、海外の特許とくらべるということは、どうしてでしょうか?と。あまり前例はないようですが、ネット時代、海外の特許を模倣して申請するということも考えられるから、そうなっているかもと。
これには、困ったですね〜。同類と思われた特許はドイツ語なんです。息子は全文をGoogle翻訳にかけ、なんとか意味は分かったものの、どう反論していいかと思案。私はこれは難しいかもと、息子に丸投げしました。息子は大川の福岡県インテリア研究所に相談に行ったりして、意見書を書き上げました。それは見事に相違を示すものでした。
その後数ヶ月経ち、次の意見書が。またドイツの製品との違いを示せだったら、アウトだな、と文書を読んでみたら、それとは違うところを示してあり、文言の訂正くらいの簡単なもの。ドイツの件ではなかったので、この段階で特許になる確率99%と思いました。
その数ヶ月後”特許査定”という文書が届きましたが、これが何を意味するか分からず、指導員の方に尋ねたら「おめでとうございます。学校で言えば合格通知です」と返信があり小躍りしました。
もちろん、すぐ息子に知らせました。初めての知財が特許申請で、苦労した意見書もすべてが実ったことであり、朝礼では、金一封を渡して今回の労をねぎらうとともに、次の特許も、この時点から期待していると伝えました。
特許料ですが、昔より随分安くなってました。ここでも、零細企業の特権である、減免の書類を提示したので2/3の減免。10年分で5万円ほどで済みました。
特許は発明です。実用新案は考案者となりますが、特許は発明者として特許証に記載されます。家具業界でも特許は希です。HASHBED(ハッシュベッド)は次世代のベッド。情報拡散は"#BED"でよろしくお願いします。HASHBEDの詳しいことは→ここから